神田明神の石獅子

神田明神には、本堂を守る立派な狛犬の他に、本殿に向かって右に江戸時代に作られた石獅子がある。
千代田区の指定有形民俗文化財になっている。

大正12年(1923)の関東大震災によって獅子山は崩壊し、こどもの獅子は紛失。
再建された獅子山に江戸時代からの親獅子2頭に、新しく作られた子獅子が加わり、今の獅子山に据えられている。

武州下野の名工石切藤兵衛(別名・油売藤兵衛)が生涯でわずか3つしか造らなかったものの中の1つと伝えられ、3つの獅子は「坂東三獅子」として有名で、江戸末期、庶民の信仰を受けていたそうである。

山の中央にいるのが母獅子なのか、子獅子と見つめあっているように感じる視線が柔らかく感じる。

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「文久2年(1862)11月両替屋仲間により神田社前へ、岩石を積み、石にて刻みし獅子の子落としの作り物を納む」と「武江年表」に書かれている。

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